何が起きたか
富士フイルムは2026年10月、米国アリゾナ州メサ市の拠点に約30億円(約1800万米ドル)を投じると発表した。CMP(化学機械研磨)で使うスラリーの生産能力を引き上げる。新設備の稼働は2027年の予定である[1]。増やすのは、配線工程(BEOL)で使う銅配線用の品目である。前工程から後工程まで多品種を作れる設備も新設する[1]。
なぜ重要か
スラリーは、研磨粒子と薬液を含む液体である。CMPでは、これをパッドとウェーハの間に供給し、粒子の機械的な作用と薬液の化学的な作用で表面の膜を削って平らにする。平らになると、次の層のリソグラフィで焦点を合わせやすくなり、配線や絶縁膜も積み重ねやすくなる。削る膜の種類に応じて、粒子や薬液の組成は使い分けられる。
増強の背景として、世界の半導体市場の拡大に伴いスラリーの需要が増えていることが挙げられている[1]。銅配線用は、先端ロジックと先端メモリの分野で需要の拡大が見込まれている[1]。新設備は、拠点の研究開発センターの成果を速やかに量産へ移すための体制づくりも兼ねる[1]。
関係する企業・工程とサプライチェーン上の位置
富士フイルムホールディングスは、米国アリゾナ州の拠点でCMPスラリーの生産と開発を担う[1]。CMPは、成膜やエッチングで生じた凹凸をならす工程であり、スラリーはその工程で使う材料である。銅配線用は配線工程に、前工程用はFEOLやMOLに、ハイブリッドボンディング向けは先端パッケージに関わる[1]。
知りたいことは分かりましたか?
ありがとうございました。今後の改善に使います。