何が起きたか
名古屋大学と、韓国のETRIや複数の大学からなる日韓共同研究グループは、2026年10月、ゲルマニウム(Ge)やシリコンゲルマニウム(SiGe)の系と、AlN(窒化アルミニウム)を複合させた、芯と殻の構造をもつ結晶を作製したと発表した[1]。室温で光を当てて発光を測ると、波長約1372nm、1377nm、1381nm、1392nmにピークがあり、光通信のE-band(波長1360〜1460nm)にあたる[1]。
なぜ重要か
芯と殻の結晶は、中心の部分を別の材料の殻が包んだ構造である。性質の異なる半導体を組み合わせられるため、新しい光・電子デバイスへの応用が期待されている。ただ、できる過程や光学特性は十分に分かっていなかった[1]。
今回は電子顕微鏡とX線CTで構造を調べ、内部が空洞の形、Ge/SiGe系材料が一部だけ入り込んだ形、芯と殻がそろった形など、複数の結晶形態を見つけた[1]。この結果から、まずAlNを含む殻状の構造ができ、そのあと内部にGe/SiGe系材料が入り込むという「shell-first」成長モデルを提案した[1]。従来想定された芯が先にできる順序とは逆であり、Plateau-Rayleigh不安定性が関わるとみている[1]。
発光の確認には、フォトルミネッセンス(光を照射して出てくる光を調べる方法)を使った[1]。E-bandは光ファイバー通信で使う波長帯であり、この結晶の発光が通信用の波長に入ることが分かった[1]。
関係する企業・工程とサプライチェーン上の位置
この成果は、光通信向けの発光材料となる結晶の作り方と、その構造・発光の解析にあたる。ウェーハ加工や組み立てといったチップの量産工程より前の、材料と結晶成長の基礎研究の段階に位置する[1]。
知りたいことは分かりましたか?
ありがとうございました。今後の改善に使います。