電気回路を作る基本の部品である、抵抗、コンデンサー、コイル、ダイオードの働きを説明する。それぞれが電気に対して何をするか、トランジスタとどう組み合わされるか、チップの中ではどのように作られるかを、基礎の範囲で扱う。
四つの基本の部品(模式図)
- 抵抗とコンデンサー電流を制限する、電気をためる
- コイルとダイオード電流の変化に逆らう、一方向に流す
図:電気回路の基本の部品。抵抗は電流を制限する。コンデンサーは電気をためる。コイルは電流の変化に逆らう。ダイオードは電流を一方向にだけ流す。目盛りのない模式図、本サイトで作成トランジスタだけでは、回路にならない
半導体の回路は、トランジスタが主役である。しかし、トランジスタだけで、回路が成り立つわけではない。電気の流れを調整したり、電気をためたりする、ほかの部品も必要になる。
このページでは、電気回路の基本の部品である、抵抗、コンデンサー、コイル、ダイオードの働きを見ていく。電圧、電流、抵抗の関係は、前のページで学んだ。
抵抗
抵抗は、電流の流れを制限する部品である。電圧をかけたとき、流れる電流の大きさは、抵抗の大きさで決まる。抵抗を使えば、電流を適切な大きさに抑えたり、電圧を分けたりできる。
抵抗に電流が流れると、熱が出る。この熱は、電気のエネルギーが変わったものである。
コンデンサー
コンデンサーは、電気をためる部品である。二枚の金属の板を、絶縁の層をはさんで向かい合わせた構造をしている。電圧をかけると、板に電気がたまる。
コンデンサーは、直流の電流を通さないが、電圧が変わるときには、電流が流れる。この性質で、信号の変化だけを通したり、電源の電圧の揺らぎをならしたりする。メモリの一種であるDRAM(一時的な記憶に使うメモリ)では、小さなコンデンサーに、電気をためて、情報を記憶する。
コイル
コイルは、電線を巻いた部品である。電流が変わろうとすると、それに逆らう向きの働きをする。電流を急に変えにくくする性質である。この性質で、電流の変動をならしたり、特定の周波数の信号を選んだりする。
コイルは、巻く部分が必要なので、大きくなりやすい。電源の回路や、無線の回路で使われる。
ダイオード
ダイオードは、電流を一方向にだけ流す部品である。半導体のpn接合で作られる。順方向の電圧をかけると電流が流れ、逆方向では、ほとんど流れない。
この性質で、交流を直流に変える(整流)や、逆向きの電流から回路を守る用途に使われる。光を出す発光ダイオードや、光を受けるダイオードも、同じ仲間である。
チップの中では
これらの部品は、チップの中にも作られる。抵抗は、細く長い領域や、不純物を加えた領域で作る。コンデンサーは、絶縁膜をはさんだ導体の構造で作る。コイルは、配線を渦巻きの形にして作るが、大きな面積を使う。ダイオードは、pn接合で作る。
回路の種類によって、必要な部品の割合が違う。デジタルの回路は、大部分がトランジスタである。アナログや無線の回路では、コンデンサーやコイルなども多く使われる。
このページのまとめ
電気回路の基本の部品は、電流を制限する抵抗、電気をためるコンデンサー、電流の変化に逆らうコイル、電流を一方向に流すダイオードである。チップの中では、これらも、半導体の構造で作られ、トランジスタと組み合わされる。
理解度チェック
本文の内容から答えられる問いです。答えを選ぶと、正しいかどうかと解説が出ます。
問1
ダイオードの働きとして、正しいものはどれか。
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答え:1. 電流を一方向にだけ流す
ダイオードは、pn接合を使って、電流を一方向にだけ流す部品である。
問2
コンデンサーの働きとして、正しいものはどれか。
答えと解説を見る
答え:1. 電気をためる
コンデンサーは、絶縁の層をはさんだ二枚の板に、電気をためる部品である。