デジタルの回路が、情報を二つの状態の組み合わせで表す考え方を説明する。連続的な変化との違い、二つの状態を区別するしきい値、雑音に強い理由、二進法とビット、文字や画像を数で表す考え方、論理ゲートとのつながりを扱う。
アナログとデジタルの波形と、しきい値(模式図)
- アナログとデジタル連続した値と、二つの状態
- しきい値揺らいでも状態を間違えにくい
図:左は、アナログの信号(連続して変わる)と、デジタルの信号(高い状態と低い状態の二つ)。右は、しきい値。しきい値より高ければ高い状態、低ければ低い状態と見なすので、多少揺らいでも区別できる。目盛りのない模式図、本サイトで作成アナログとデジタル
私たちのまわりの音や光、温度は、連続して変わる量である。連続して変わる量を、そのまま電気の信号で扱う方式を、アナログと呼ぶ。これに対して、情報を、とびとびの値の組み合わせで表す方式を、デジタルと呼ぶ。
現在の計算機は、ほとんどがデジタルである。このページでは、デジタルの考え方と、なぜ半導体の回路に向くのかを見ていく。
二つの状態で表す
デジタルの回路では、情報を、二つの状態だけで表すことが多い。たとえば、電圧が高い状態と、低い状態である。スイッチが入っているか、切れているか、と言い換えてもよい。
トランジスタは、スイッチとして使える。そのため、二つの状態を作ったり、保ったりするのに、とても向いている。
しきい値で区別する
実際の電圧は、きっちり二つの値になるわけではない。まわりの雑音で、少し揺らぐ。そこで、境目になる電圧(しきい値)を決める。しきい値より高ければ、高い状態、低ければ、低い状態と、見なす。
この区別のおかげで、電圧が多少揺らいでも、状態を間違えにくい。これが、デジタルの回路が、雑音に強い理由である。信号を次の回路へ送るたびに、きれいな高低の値に整え直せるので、劣化が積み重ならない。
二進法と、ビット
二つの状態だけで、数を表す方法が、二進法である。日常で使う十進法では、一つの桁で、十種類の数字を使う。二進法では、一つの桁で、二種類だけを使う。桁を増やすと、大きな数も表せる。
二進法の一つの桁を、ビットと呼ぶ。ビットを並べれば、並べた数だけ、組み合わせが増える。ビットが多いほど、たくさんの種類を区別できる。
数で、何でも表す
二つの状態の組み合わせで、数を表せるので、あらゆる情報を、数に直して扱える。文字は、一つずつの文字に、決まった数を割り当てる。画像は、画面を細かい点に区切り、点ごとの明るさと色を数にする。音は、時間で区切って、音の大きさを数にする。
こうして数にしてしまえば、保存、コピー、通信が、劣化なく行える。
論理ゲートへ
二つの状態を使って、「かつ」「または」「ではない」といった、判断をする回路が、論理ゲートである。論理ゲートを組み合わせると、足し算などの計算もできる。この組み合わせが、プロセッサーの基になる。詳しくは、回路の分野で学ぶ。
このページのまとめ
デジタルは、情報を、とびとびの値の組み合わせで表す方式で、半導体の回路では、二つの状態(高い電圧と低い電圧)を使う。しきい値で状態を区別するので、雑音に強い。二進法とビットを使えば、文字、画像、音など、あらゆる情報を数にして扱える。
理解度チェック
本文の内容から答えられる問いです。答えを選ぶと、正しいかどうかと解説が出ます。
問1
デジタルの回路が雑音に強い理由として、正しいものはどれか。
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答え:1. しきい値で高低を区別するので、少し揺らいでも状態を間違えにくいから
境目(しきい値)で二つの状態に分けるため、電圧が多少揺らいでも、状態を間違えにくい。
問2
二進法の一つの桁を何と呼ぶか。
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答え:1. ビット
二進法の一つの桁を、ビットと呼ぶ。