半導体の会社の決算資料を読むときの観点を、一般的な考え方として説明する。売上高と利益、事業の区分ごとの数字、受注、設備投資と研究開発費、在庫、決算期や会計基準の違い、資料の種類を扱う。売買の判断を示すものではない。
決算の資料と、利益の段階(模式図)
- 決算の資料詳しさが違う
- 利益の段階費用を引くごとに小さくなる
図:左は、決算に関する資料。決算短信は簡潔、決算説明資料は図表で説明、有価証券報告書は詳しい。右は、利益の段階。売上高から費用を引いて、売上総利益、営業利益の順に小さくなる。目盛りのない模式図、本サイトで作成決算資料から、何が分かるか
上場している会社は、定期的に、業績を公表している。その資料から、会社が何を、どれだけ売り、どれだけ投資しているかが分かる。半導体の会社を理解するうえで、決算資料は、有力な手がかりである。
このページでは、決算資料を読むときの観点を、一般的な考え方として整理する。特定の会社や、株の売買の判断を示すものではない。当サイトでは、各社の決算の要点を、別のページで取り上げている。
資料の種類
決算に関する資料には、いくつかの種類がある。決算短信は、決算の要点を、早く簡潔に伝える資料である。決算説明資料は、会社が、事業の状況や、今後の見通しを、図や表で説明する資料である。有価証券報告書は、より詳しい情報を、決められた形式でまとめた資料である。
それぞれ、目的と詳しさが違う。まず決算短信や決算説明資料で全体をつかみ、詳しく知りたいことを、有価証券報告書で調べる、という使い方ができる。
売上高と利益
最も基本の数字は、売上高と利益である。売上高は、商品やサービスを売って得た金額である。利益には、いくつかの段階がある。売上高から、売った商品の費用を引いたものを、売上総利益と呼ぶ。そこから、販売や研究開発などの費用を引いたものが、営業利益である。
売上高が増えていても、利益が減っていることがある。両方を、前の期と比べて見ることが大切である。比べるときは、同じ期間の長さで比べる。
事業の区分ごとの数字
多くの会社は、事業を区分して、区分ごとの売上高と利益を公表している。これを、セグメント情報と呼ぶ。総合メーカーでは、半導体の事業が、会社全体の中で、どのくらいの割合を占めるかが、ここから分かる。半導体以外の事業が大きい会社では、半導体の部分だけを見る必要がある。
半導体の会社で、特に見る数字
半導体の会社では、次の数字も、手がかりになる。
装置や材料の会社では、受注の状況が、先の売上の手がかりになる。製造を行う会社では、設備投資の額が、将来の生産の力に関わる。研究開発費は、新しい技術に向けた投資の大きさを示す。在庫は、増えているか減っているかで、需要との釣り合いを推し量る手がかりになる。
どの数字も、単独で判断せず、前の期や、同じ産業の他社と比べて、変化の方向を見ることが大切である。
決算期と会計基準の違い
会社によって、決算の時期(決算期)や、使う会計のルール(会計基準)が違う。決算期が違うと、同じ時期の数字が、直接比べられないことがある。会計基準が違うと、同じ名前の利益でも、中身が少し違うことがある。比べるときは、それぞれの会社が、どの期間を、どの基準で示しているかを確かめる。
このページのまとめ
決算資料は、会社の事業を理解する手がかりである。資料の種類を使い分け、売上高と利益、事業の区分ごとの数字、受注、設備投資、研究開発費、在庫などを、前の期や他社と比べて読む。決算期と会計基準の違いにも、注意が必要である。
理解度チェック
本文の内容から答えられる問いです。答えを選ぶと、正しいかどうかと解説が出ます。
問1
決算短信の特徴として、適切なものはどれか。
答えと解説を見る
答え:1. 決算の要点を、早く簡潔に伝える資料
決算短信は、決算の要点を早く簡潔に伝える資料である。詳しい内容は、有価証券報告書などで調べる。
問2
会社どうしの数字を比べるときの注意として、正しいものはどれか。
答えと解説を見る
答え:1. 決算期や会計基準が違うことがあるので、確かめる
決算期や会計基準が会社によって違うことがあるので、比べる前に確かめる。