シリコンはダイヤモンド構造の結晶で、立方体の単位格子に8個の原子が入る。格子定数0.543 nmから、原子の数密度と最も近い原子の間隔を求める。不純物を1 cm³あたり1×10¹⁷個加えても、原子約50万個に1個にすぎないことを、数密度から見積もる。
シリコンは、格子定数0.543 nmの立方体に原子8個
- 単位格子を上から見る模式図
- 格子定数と結合の長さd = √3 a/4
図:左は、ダイヤモンド構造の単位格子を真上から見た模式図。原子の位置を、面心立方の1組目(濃い丸)と、ずれて重なる2組目(薄い丸)に分けて示す。右は、格子定数と、最も近い原子との距離(結合の長さ)。値はイリノイ大学 ECE 340 Lecture 2式
シリコンは、ダイヤモンド構造の結晶である。立方体の単位格子の一辺 を格子定数といい、シリコンでは Å(0.543 nm)である[1]。単位格子に入る原子は 個で、面心立方の並びが2組、ずれて重なっている(4個と4個)[1]。 は原子の数密度である。面心立方の最小の単位(基本格子)の体積は になる[1]。
式のどこを見るか
見るのは、格子定数 が3乗で入っていることである。 が1%変わると、数密度は約3%変わる。
もう1つは、格子定数と、原子どうしの間隔の違いである。結合の長さ(最も近い原子との距離)は2.35 Å で、格子定数5.43 Å とは別の量である[1]。この2つは、 の関係にある(本サイトで計算)。
基本格子の体積は単位格子の4分の1なので、基本格子に入る原子は 個である(本サイトで計算)。
数値例
Å cm を入れると、数密度は から約 cm⁻³ になる(本サイトで計算)。出典の資料でも、約 個と見積もっている[1]。
からは約2.35 Å になり、出典の値と一致する(本サイトで計算)。基本格子の体積は約40 ų である(本サイトで計算)。
ドーパントを cm⁻³ 加えた場合、原子約 個(約50万個)に1個の割合である(本サイトで計算)。結晶の中のほとんどは、シリコン原子のままである。
理解度チェック
本文の内容から答えられる問いです。答えを選ぶと、正しいかどうかと解説が出ます。
問1
シリコンの単位格子(立方体)に入る原子は、いくつか。
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答え:3. 8個
ダイヤモンド構造は、面心立方の並び2組が重なったものである。1組に4個ずつ、合わせて8個が単位格子に入る。
問2
格子定数が0.543 nm のシリコンで、原子の数密度はおよそいくつか。
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答え:3. 約5×10²² cm⁻³
数密度は 8/a³ である。a = 5.43×10⁻⁸ cm を入れると、約5.0×10²² cm⁻³ になる。