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共通の決まりと設計の部品:標準と設計資産

公開日:作成者:hysd(SemiCompass運営者)

このページの目次
  1. 分業を支える、共通の決まり
  2. 製造に関する標準
  3. チップの間の信号の決まり
  4. 設計済みの回路の部品
  5. 設計資産を使う利点と注意点
  6. 標準と、競争
  7. このページのまとめ
  8. 関係する工程と用語
  9. 次に読む
  10. 理解度チェック

半導体の産業で、会社の間で共有される共通の決まり(標準)と、設計済みの回路の部品(設計資産)の役割を説明する。ウェーハの大きさや装置のつなぎ方の標準、チップの間の信号のやり取りの決まり、設計資産を使う利点と注意点を扱う。

共通の決まりと、設計資産の組み合わせ(模式図)

  1. A社の装置B社の容器共通の決まり組み合わせて使える共通の決まり別の会社の製品でも組み合わせられる
  2. 自社の設計演算の部品通信の部品メモリを扱う部品設計資産確かめられた部品を使う
図:左は、共通の決まり。別々の会社が作った装置と容器が、共通の決まりに合わせて作られているので、組み合わせて使える。右は、設計資産。チップは、自社で設計した部分と、設計済みの部品(設計資産)を組み合わせて作る。目盛りのない模式図、本サイトで作成

分業を支える、共通の決まり

半導体は、多くの会社が分担して作る。装置を作る会社、材料を作る会社、設計する会社、製造する会社、組み立てる会社が、別々に存在する。それぞれが、互いに合わないものを作ってしまうと、組み合わせられない。

そこで、会社の間で共通に使う決まりがある。この決まりを、標準と呼ぶ。このページでは、標準が何を決めているかと、設計の部品を共有する考え方を、一般的な形で見ていく。

製造に関する標準

製造の現場には、多くの標準がある。たとえば、ウェーハの大きさや厚さは、あらかじめ決まった種類がある。ウェーハの大きさが決まっていれば、装置を作る会社は、その大きさに合わせて装置を作れる。ウェーハを入れる容器や、装置の受け渡しの形にも、決まりがある。

こうした標準があるおかげで、ある会社の装置と、別の会社の容器を組み合わせて使える。もし標準がなければ、会社ごとに、装置を作り直す必要が生じ、費用が大きく増える。

チップの間の信号の決まり

チップどうしが信号をやり取りするときにも、決まりがある。メモリとプロセッサーが、どのような手順で、どのような形の信号を送り合うかが、規格として定められている。

規格が共通であれば、別々の会社が作ったチップを、つなげて使える。メモリの会社と、プロセッサーの会社が、それぞれ独立に開発しても、規格に合わせれば、組み合わせられる。通信や、周辺の機器とのつなぎ方にも、同様に規格がある。

設計済みの回路の部品

チップの設計では、すべてを一から設計するわけではない。すでに設計され、働きが確かめられた回路の部品を、組み合わせて使うことが多い。この部品を、設計資産や、IPと呼ぶ。

たとえば、演算の部分、通信の部分、メモリを扱う部分などが、設計資産として提供される。設計資産を専門に開発して、他の会社に提供する会社もある。

設計資産を使う利点と注意点

設計資産を使う利点は、開発の期間と費用を減らせることである。確かめられた部品を使えば、同じものを一から作るより、早く、確実に作れる。また、自社に得意でない分野を、他社の部品で補える。

一方で、注意点もある。使う部品の権利と、使用料の決まりを、守らなければならない。また、部品の中身が、自社で十分に確認できない場合があり、問題が起きたときの対応を、提供元と決めておく必要がある。どの製造の技術で使えるかも、部品ごとに確かめる。

標準と、競争

標準は、競争を妨げるものではない。共通の決まりがあるからこそ、各社は、決まりの上で、性能や価格、使いやすさで競える。また、標準を決める場に、各社が参加し、自社の技術を提案することもある。

このページのまとめ

半導体の産業では、会社の間で共通に使う決まり(標準)が、分業を支えている。ウェーハの大きさや、チップの間の信号の決まりなどである。また、設計済みの回路の部品(設計資産)を共有することで、設計の期間と費用を減らせる。使うときは、権利と、使える製造の技術を確かめる。

理解度チェック

本文の内容から答えられる問いです。答えを選ぶと、正しいかどうかと解説が出ます。

問1

ウェーハの大きさなどに標準がある利点として、正しいものはどれか。

答えと解説を見る

答え:1. 会社の違う装置や容器を、組み合わせて使えるから

標準があれば、別々の会社の装置や容器を組み合わせて使える。なければ、会社ごとに作り直す費用が増える。

問2

設計資産(IP)を使う利点として、適切なものはどれか。

答えと解説を見る

答え:1. 確かめられた部品を使い、開発の期間と費用を減らせる

確かめられた部品を使うと、同じものを一から作るより早く確実に作れる。ただし、権利と使える技術の確認が要る。