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汚れを取る:洗浄と汚染の管理

公開日:作成者:hysd(SemiCompass運営者)

このページの目次
  1. 洗浄は、何度も行われる
  2. 取り除く汚れの種類
  3. 薬液と純水で洗う
  4. 乾かすことも、洗浄の一部
  5. 洗浄しすぎも、よくない
  6. 汚れを、そもそも付けない
  7. このページのまとめ
  8. 関係する工程と用語
  9. 次に読む
  10. 理解度チェック

ウェーハの洗浄が、前工程のなかで何度も行われる理由を説明する。取り除く汚れの種類、薬液と純水を使う洗浄、乾燥、洗浄で表面を傷めない工夫、清浄な環境で汚染を防ぐ考え方を扱う。

取り除く汚れと、洗浄の流れ(模式図)

  1. 粒子金属有機物自然の酸化膜取り除く汚れ四つの種類がある
  2. 薬液で汚れを取る純水ですすぐむらなく乾かす洗浄の流れ薬液、すすぎ、乾燥
図:左は、洗浄で取り除く汚れの種類。粒子、金属、有機物、自然の酸化膜。右は、洗浄の流れ。薬液で汚れを取り、純水ですすぎ、乾かす。目盛りのない模式図、本サイトで作成

洗浄は、何度も行われる

前工程の中で、最も回数が多い工程の一つが、洗浄である。成膜の前、エッチングの後、レジストを取った後など、さまざまな場面で、ウェーハが洗われる。

その理由は、チップの回路が非常に細かく、ごく小さな汚れでも、不良の原因になるからである。このページでは、取り除く汚れの種類と、洗浄の考え方を見ていく。

取り除く汚れの種類

洗浄で取り除く汚れには、いくつかの種類がある。

一つは、粒子である。空気中のほこりや、装置から出る細かいくずが、ウェーハに付く。粒子は、回路の線をつなげたり、膜に穴をあけたりして、不良を作る。

二つめは、金属の汚れである。ごく少量の金属でも、トランジスタの性質を変えてしまう。三つめは、有機物の汚れである。人の皮脂や、レジストの残りなどで、膜がうまく付かない原因になる。四つめは、表面にできる薄い自然の酸化膜である。次の工程に邪魔になる場合は、取り除く。

薬液と純水で洗う

代表的な洗浄の方法に、薬液で汚れを溶かして取り除き、純水ですすぐ方法がある。汚れの種類ごとに、適した薬液が違う。たとえば、有機物と粒子には、ある薬液、金属には、別の薬液を使う。代表的な手順に、複数の薬液を順に使うRCA洗浄がある。

薬液を使ったあとは、純水でしっかりすすぐ。純水は、不純物をほとんど含まない水で、ここでも水の質が大事になる。薬液の中に汚れが残ったり、すすぎが足りなかったりすると、かえって汚れの原因になる。

乾かすことも、洗浄の一部

洗浄の最後に、ウェーハを乾かす。水滴が残ると、乾く跡が汚れになる。また、細かい溝の中に水が残ると、乾くときの力で、細い構造が倒れることがある。

そのため、ウェーハを回して水を飛ばしたり、水より乾きやすい液体に置き換えたりして、むらなく乾かす工夫が使われる。

洗浄しすぎも、よくない

汚れを取るために強く洗うと、必要な膜まで削ったり、表面を荒らしたりする。薬液の濃さ、温度、時間を決め、取りたい汚れだけを落とす。細かい回路ほど、削れる量の許せる範囲が小さいので、洗浄の条件は精密に決められる。

また、薬液を使わない洗浄もある。ガスやプラズマで汚れを取る方法で、薬液では届きにくい細かい場所にも使われる。

汚れを、そもそも付けない

洗浄と並んで大切なのが、汚れを付けないことである。ウェーハは、空気中の粒子を極めて少なくしたクリーンルームの中で扱う。人は、専用の服を着る。装置の中の部品や薬液、ガスも、純度を管理する。

洗浄は、すでに付いた汚れを取る作業だが、汚染の管理は、汚れが付くのを防ぐ作業である。両方があって、細かい回路が、確実に作れる。

このページのまとめ

洗浄は、粒子、金属、有機物、自然の酸化膜などの汚れを取り除く工程で、前工程の中で何度も行われる。薬液と純水で洗い、むらなく乾かす。取りすぎないよう、条件は精密に決める。洗浄と、汚れを付けない管理が、細かい回路を作るのを支えている。

  • 工程:洗浄
  • 用語:クリーンルーム:空気中の微粒子や温度、湿度を管理した、半導体の製造に使う部屋である。
  • 用語:RCA洗浄:薬液を順に使い、ウェーハ表面の有機物、微粒子、金属不純物を取り除く洗浄方法である。
  • 用語:ウェットエッチング:薬液に浸すか吹き付けて、ウェーハ上の膜を溶かして取り除くエッチングである。

理解度チェック

本文の内容から答えられる問いです。答えを選ぶと、正しいかどうかと解説が出ます。

問1

洗浄が前工程で何度も行われる理由はどれか。

答えと解説を見る

答え:1. 小さな汚れでも、細かい回路では不良の原因になるから

回路が非常に細かいため、ごく小さな汚れでも不良になる。そこで、さまざまな場面で洗う。

問2

洗浄の条件を精密に決める理由として、正しいものはどれか。

答えと解説を見る

答え:1. 強く洗いすぎると、必要な膜や表面まで傷めるから

強く洗うと、必要な膜を削ったり表面を荒らしたりする。取りたい汚れだけを落とす条件にする。