成膜(CVD、PVD、ALD)

公開日:

このページの目次
  1. この工程の要点
  2. 解説
  3. この工程の企業
  4. 関係する用語
  5. 前後の工程

この工程の要点

ウェーハの上に、絶縁膜や金属膜などの薄い膜を形成する工程。

段階:前工程

解説

成膜は、シリコンウェーハの表面に、絶縁体、金属、半導体などの薄い膜をつくる工程である。回路は、膜をつくり、露光で形を描き、不要な部分を削る、という流れを繰り返して組み上げる。成膜はその土台となる膜を用意する工程であり、前工程の中で何度も行われる。

成膜の後には、フォトレジストを塗る工程や、膜の表面を削って平らにするCMP(Chemical Mechanical Polishing、化学機械研磨)が続くことがある。どの工程が続くかは、つくる膜の役割によって変わる。

成膜の方法は、大きく三つに分けて語られることが多い。

CVD(Chemical Vapor Deposition、化学気相成長)は、原料のガスを反応室に送り、ウェーハの表面で化学反応を起こして膜をつくる方法である。反応を進めるために、熱やプラズマを使う。

PVD(Physical Vapor Deposition、物理気相成長)は、固体の材料から原子や粒子を飛ばし、ウェーハの表面に付着させて膜をつくる方法である。その代表がスパッタリングで、プラズマ中で生じたイオンを材料に当てて、材料の原子をたたき出す。主に金属膜の形成に使われる。

ALD(Atomic Layer Deposition、原子層堆積)は、二種類以上の原料ガスを交互に送り、原子の層を一層ずつ重ねて膜をつくる方法である。膜の厚さを細かく制御でき、複雑な形の表面にも均一に膜をつけやすい。そのため、回路の微細化が進むほど使いどころが増える。ALDは、CVDの一種として扱われることもある。

使う装置は、いずれも反応室、ウェーハを載せて加熱するステージ、真空ポンプ、ガスの供給部などで構成される。プラズマを使う方式では、プラズマを発生させる電源部も加わる。材料は、CVDやALDでは原料ガス、PVDではターゲットと呼ばれる固体の材料である。つくる膜の種類としては、酸化膜、窒化膜、金属膜などがある。

この工程の企業

2社を表示しています

成膜(CVD、PVD、ALD)の企業の一覧
企業名企業区分売上高(億円)半導体関連の比率(%)営業利益率(%)平均年間給与(万円)
KOKUSAI ELECTRIC国内上場企業2,350.8100.017.8961
東京エレクトロン国内上場企業24,435.3100.025.61,380

定義と範囲

営業利益率は、全社の連結の数値です。半導体事業だけの数値ではありません。

平均年間給与は、提出会社の従業員の数値です。持株会社では、事業会社の水準を表しません。

会計基準の違いで、営業利益の定義が異なる場合があります。

証券コード・工程・掲載の状態も含めて、一覧のページで見る

関係する用語

  • ALD:原料ガスを交互に供給し、薄膜を原子層単位で積み重ねる成膜手法。
  • CMP:ウェーハ表面を、化学的な作用と機械的な研磨を組み合わせて削り、平らにする加工である。
  • CVD:原料ガスの化学反応で、ウェーハ表面に薄い膜をつくる成膜法。
  • ファウンドリ:他社が設計した半導体を、受託して製造する事業者、またはその事業形態。
  • IDM(垂直統合型):設計、製造、組立、検査などを自社内で一貫して行う半導体メーカーの形態。
  • プラズマ:気体の分子や原子の一部が電離し、電子とイオンに分かれて混在する状態。半導体製造では、エッチングや成膜に使われる。
  • プロセスノード(微細化):半導体の製造技術の世代を表す呼び方と、回路のパターンを小さくしていく微細化の取り組みを指す用語。
  • シリコンウェーハ:高純度のシリコン単結晶を薄い円板状に切り出し、表面を鏡のように磨いた基板。半導体チップの回路を作り込む土台となる。
  • スパッタリング:真空中でプラズマのイオンをターゲットに衝突させ、はじき出した原子を基板に付着させて薄い膜をつくる成膜法。
  • 歩留まり:製造した製品のうち、規格を満たす良品が占める割合。半導体では、ウェーハ上のチップのうち検査に合格したものの割合を指すことが多い。

前後の工程