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表面を平らにする:平坦化と研磨

公開日:作成者:hysd(SemiCompass運営者)

このページの目次
  1. なぜ、平らにするのか
  2. 化学機械研磨
  3. 化学と機械を合わせる理由
  4. 配線を作るための研磨
  5. 削る量の管理
  6. 研磨の後は、洗う
  7. このページのまとめ
  8. 関係する工程と用語
  9. 次に読む
  10. 理解度チェック

ウェーハの表面を平らにする平坦化の必要性と、化学機械研磨(CMP)の仕組みを説明する。薬液と研磨剤、研磨のパッド、余分な銅の除去、削る量の管理、研磨後の洗浄を扱う。

凹凸と焦点、化学機械研磨のしくみ(模式図)

  1. 焦点が合う高さ低い所は焦点が合わない凹凸と焦点焦点が合う範囲はごく狭い
  2. ウェーハ(下向き)研磨剤を含む液体回転するパッド高い所から削れる化学機械研磨化学と機械の働きで削る
図:左は、表面の凹凸と露光の焦点。凹凸があると、高い所には焦点が合っても、低い所には合わない。右は、化学機械研磨。ウェーハを回転するパッドに押し当て、研磨剤を含む液体を流して削る。目盛りのない模式図、本サイトで作成

なぜ、平らにするのか

チップは、膜を何層も重ねて作る。層を重ねるたびに、表面には、下の回路による凹凸が生じる。凹凸が積み重なると、次の工程に支障が出る。

たとえば、回路の形を写す露光では、光の焦点が合う範囲が、ごく狭い。表面に凹凸があると、高い所と低い所で、焦点が合わず、形が正しく写らない。また、凹凸の上に配線を作ると、切れたりつながったりしやすい。そこで、層を重ねる合間に、表面を平らにする工程が入る。

化学機械研磨

表面を平らにする代表的な方法が、化学機械研磨(CMP)である。名前のとおり、化学の働きと、機械の働きを合わせて削る。

ウェーハを、下向きに、回転する研磨のパッドに押し当てる。パッドの上には、研磨剤を含んだ液体(スラリー)を流す。スラリーの薬液が表面を化学的に変え、研磨剤の粒が機械的に削る。この二つが合わさって、高い所から先に、なめらかに削れる。

化学と機械を合わせる理由

機械の力だけで削ると、表面に深い傷が付きやすい。化学の力だけでは、削るのに時間がかかり、平らにもなりにくい。両方を合わせることで、傷を抑えながら、平らに削れる。

スラリーの成分は、削る膜の種類ごとに選ばれる。絶縁の膜を削るもの、金属を削るものなど、目的に合わせて使い分ける。

配線を作るための研磨

CMPは、銅の配線を作る工程でも使われる。あらかじめ絶縁の膜に溝を掘り、その上から銅を全面に付ける。すると、溝の中にも、溝の外にも銅が付く。溝の外の余分な銅を、CMPで削り取ると、溝の中にだけ銅が残り、配線になる。この方法を、ダマシンと呼ぶ。

このとき、銅は削るが、下の絶縁の膜は削りすぎない、という選び分けが大切である。スラリーと条件を工夫して、止めたい所で、研磨が止まるようにする。

削る量の管理

CMPで難しいのは、削る量を、ちょうどよく管理することである。削りすぎると、必要な膜が薄くなったり、配線が細くなったりする。削り足りないと、余分な膜が残る。

そこで、研磨の途中で、削る量や膜の厚さを測り、狙いの所で止める。また、表面の回路の形によって、削れやすさが変わるので、広い配線の中央が凹むなど、研磨のむらが生じることがある。設計と工程の両方で、むらを抑える工夫をする。

研磨の後は、洗う

CMPの後のウェーハには、研磨剤の粒や、削りくずが残っている。これらは、不良の原因になるので、研磨の後には、洗浄の工程が続く。洗浄は、ウェーハを傷めないように、慎重に行う。

このページのまとめ

層を重ねるたびに、表面には凹凸が生じ、露光や配線に支障が出る。それを防ぐために、化学機械研磨(CMP)で表面を平らにする。薬液による化学の働きと、研磨剤による機械の働きを合わせる。銅の配線を作る工程でも使われ、削る量の管理と、研磨後の洗浄が大切である。

  • 工程:CMP(平坦化)
  • 用語:CMP:ウェーハ表面を、化学的な作用と機械的な研磨を組み合わせて削り、平らにする加工である。
  • 用語:ダマシン:絶縁膜に配線の溝を先に掘り、金属を埋め込んで余分をCMPで除き、配線を作る方法である。
  • 用語:スラリー:固体の微粒子を液体に分散させた懸濁液。半導体製造では、CMPで研磨に用いる研磨剤の液を指すことが多い。

理解度チェック

本文の内容から答えられる問いです。答えを選ぶと、正しいかどうかと解説が出ます。

問1

表面を平らにする必要がある理由として、正しいものはどれか。

答えと解説を見る

答え:1. 凹凸があると、露光で焦点が合わず、配線も作りにくいから

露光は焦点が合う範囲が狭く、凹凸の上の配線は切れたりつながったりしやすい。

問2

化学機械研磨で、化学の働きと機械の働きを合わせる理由はどれか。

答えと解説を見る

答え:1. 傷を抑えながら、平らに削るため

機械だけでは傷が付きやすく、化学だけでは遅く平らになりにくい。合わせると、傷を抑えて平らに削れる。