電子と正孔が結びついて光を出す割合を表す式から、キャリアの濃度が10倍になると発光が100倍になることと、結びつくまでの時間が短くなることを読む。直接遷移の材料の再結合係数の目安で、桁を確かめる。
濃度が上がると、再結合は急に増え、時間は短くなる
- 再結合の数 R濃度が10倍で、100倍になる
- 結びつくまでの時間 τ濃度が10倍で、1/10になる
図:再結合係数 B を10の−10乗 cm³/s と置いて計算した、濃度 n(n と p が等しい場合)と、再結合の数 R(左)、結びつくまでの時間 τ(右)の関係。横軸は濃度の指数、縦軸は対数の目盛り。B の値は、直接遷移の材料の桁の目安で、本サイトで計算した式
は、単位体積あたり、単位時間に光を出して結びつく電子と正孔の対の数である。 は電子の濃度、 は正孔の濃度、 は真性キャリア濃度である。 は再結合係数で、材料で決まり、単位は cm/s である[1]。
濃度が十分高いときは、 の項が無視でき、 になる。電子の濃度が正孔の濃度よりずっと高い状況では、結びつくまでの平均の時間 は、次の形で表せる。
式のどこを見るか
見るのは、積 である。光を出して結びつくには、電子と正孔が出会う必要がある。出会う数は、二つの濃度の積に比例する。
と が同じ割合で増えるとき(電流を流して注入したときなど)、 は濃度の2乗で増える。濃度が10倍になると、 は100倍になる。
熱の平衡では となり、 は0になる。式の括弧は、平衡からのずれを表す。外から電子と正孔を注入して、 を より大きくしたときだけ、光が出る。
は、材料で桁が変わる。前のページで読んだ直接遷移の材料では大きく、間接遷移の材料では、光を出す効率が約1,000分の1とされる[2]。
は、濃度が高いほど短くなる。
数値例
再結合係数 の桁は、直接遷移の材料で、およそ cm/s とされる[1]。ここでは cm/s として、式の読み方を確かめる。
cm のとき、 cms である。濃度を cm に10倍にすると、 は cms で、100倍になる(本サイトで計算)。
電子の濃度が cm のとき、 s で、10 ns(ナノ秒)になる。濃度が cm なら1 μs、 cm なら1 ns になる(本サイトで計算)。
この数値は、桁の目安として置いた値の計算である。実際の材料の値は、材料や温度で異なる。
理解度チェック
本文の内容から答えられる問いです。答えを選ぶと、正しいかどうかと解説が出ます。
問1
電子と正孔の濃度を、どちらも10倍にすると、光を出して結びつく数 R はどうなるか。
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答え:2. 100倍になる
R は電子と正孔の濃度の積 np にほぼ比例する。両方が10倍なら、積は100倍になる。
問2
熱の平衡で、電子と正孔が結びついて出す光の正味の量はどうなるか。
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答え:3. 0になる
平衡では np = ni² で、式の括弧が0になる。外から電子と正孔を注入して np を大きくしたときだけ、光が出る。