光を出す、光を受ける:LEDと半導体レーザー

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このページの目次
  1. 電気と光をつなぐ半導体
  2. 発光ダイオード(LED)の仕組み
  3. 光を効率よく取り出す工夫
  4. 白い光を作る
  5. 半導体レーザー:光の向きと色がそろう
  6. 光の部品を作る難しさ
  7. 光を受ける部品
  8. どこで使われているか
  9. このページのまとめ
  10. 関係する工程と用語
  11. 次に読む
  12. 理解度チェック

電気を光に変える発光ダイオード(LED)と半導体レーザー、光を電気に変える受光の部品の仕組みを説明する。pn接合で電子と正孔が結びついて光が出る仕組み、レーザーの光がそろう理由、光の通信やセンサーでの使われ方を扱う。

LEDと半導体レーザー(模式図)

  1. n型p型光境目で結びついて光るLED光の色は、材料のバンドギャップで決まる
  2. 光をはね返す面の間を行き来する出る光光を出す層(中央)半導体レーザー向きと色がそろった光が増えて、端から出る
図:左は、LED。順方向の電圧で、n型から電子(黒い丸)、p型から正孔(縁取りの丸)が境目に流れ込み、出会って結びつくと光が出る。右は、半導体レーザー。光を出す層の両端の、光をはね返す面の間を光が行き来し、同じ向きと色の光が増えて、一部が端から外へ出る。模式図、本サイトで作成

電気と光をつなぐ半導体

半導体には、電気を光に変えるものと、光を電気に変えるものがある。こうした、光と電気の間を受け持つ半導体を、まとめて「光の半導体」と呼ぶことがある。

光を電気に変える部品は、前に学んだイメージセンサーや太陽電池である。このページでは、電気を光に変える発光ダイオードと半導体レーザーを中心に、その仕組みと使われ方を見ていく。

発光ダイオード(LED)の仕組み

発光ダイオードは、英語の頭文字から「LED」と呼ばれる。その中心は、分野「半導体の基礎」で学んだpn接合である。

pn接合に順方向の電圧をかけると、n型の側から電子が、p型の側から正孔が、境目に向かって流れ込む。境目で電子と正孔が出会って結びつくと、電子が持っていたエネルギーの一部が出てくる。分野の前のページで学んだとおり、ヒ化ガリウムや窒化ガリウムなどの化合物半導体では、このエネルギーが光として出やすい。

出てくる光のエネルギーは、材料のバンドギャップの大きさで決まる。光のエネルギーは光の色と結びついているので、バンドギャップの大きさを選ぶことで、出る光の色を選べる。バンドギャップが大きいほど、青や紫のような、エネルギーの高い光になる。

光を効率よく取り出す工夫

境目でできた光を、無駄なく外へ取り出すことも大切である。

電子と正孔が出会う場所を、薄い層の中に閉じ込めると、両方が出会う機会が増え、光を出す効率が上がる。そのため、性質の違う化合物半導体の薄い膜を何層も重ねて、光を出す層を作る。こうした薄い膜は、結晶の並びをそろえて一層ずつ育てる成膜の技術で作られる。

また、半導体の中でできた光は、表面ではね返されて、外へ出にくいことがある。表面の形を工夫したり、光を反射する層を下に置いたりして、光を外へ導く。

白い光を作る

照明に使う白い光は、一つの色の光ではない。多くの色の光が混ざったものである。

白い光を作る方法の一つは、青い光を出すLEDに、その光を受けて別の色の光を出す材料(蛍光体)を組み合わせることである。青い光の一部が、蛍光体で黄色などの光に変わり、残った青い光と混ざって、白く見える。

LEDの照明は、同じ明るさを得るのに使う電力が少なく、長く使えることから、多くの場所で使われるようになった。

半導体レーザー:光の向きと色がそろう

半導体レーザーも、pn接合で電子と正孔が結びつくときに出る光を使う。LEDと違うのは、光の向きと色、波の山と谷の位置がそろった、まっすぐ進む光を出すことである。

半導体レーザーでは、光を出す層の両端に、光をはね返す面を作る。光は、その間を何度も行き来する。光が行き来する間に、まだ結びついていない電子と正孔に出会うと、その光と同じ向き、同じ色、同じ山と谷の光が、新しく生まれる。こうして、そろった光が次々に増えていき、その一部が端の面から外へ出てくる。

このようにしてできる光は、細く絞りやすく、遠くまで広がらずに届く。

光の部品を作る難しさ

光の部品は、化合物半導体の薄い膜を、何層も正確に重ねて作る。膜の厚さや、混ぜる元素の割合がわずかにずれると、出る光の色や明るさが変わってしまう。そのため、膜を育てるときの温度やガスの量を、細かく管理する。

また、光の部品は、電気を光に変えるときに熱も出す。熱がこもると、光を出す効率が下がり、寿命も短くなる。チップの熱をうまく逃がすパッケージの工夫も、性能を左右する。

光を受ける部品

光を電気に変える部品は、受光の部品と呼ばれる。分野「デバイス」のイメージセンサーのページで学んだフォトダイオードが代表である。pn接合に光が当たると、電子と正孔の組ができ、空乏層の電気の偏りで引き離されて、電気の信号になる。

受光の部品は、光の明るさを測るセンサーや、光の通信で届いた光を電気の信号に戻す部品として使われる。

どこで使われているか

光の半導体は、多くの場面で使われている。

* 照明と表示:LEDの照明、テレビやスマートフォンの画面の明かり、信号機など。* 光の通信:データセンターの中や、遠くの都市の間で、細いガラスの線(光ファイバー)に半導体レーザーの光を通して、大量のデータを送る。受ける側では、受光の部品が光を電気の信号に戻す。* センサー:自動車の周りの距離を、レーザーの光をはね返らせて測る装置や、顔の形を読み取る装置など。* 記録と加工:光の円盤に記録された情報の読み書きや、材料の加工など。

データを運ぶ量が増えるにつれて、電気の配線の代わりに光でデータを送る場面が増えている。チップのすぐ近くまで光の通信を持ち込む技術の研究も進められている。

このページのまとめ

LEDは、pn接合で電子と正孔が結びつくときのエネルギーを光として出す部品で、光の色はバンドギャップの大きさで決まる。薄い層に電子と正孔を閉じ込め、光を外へ導く工夫で、効率を上げる。白い光は、青いLEDと蛍光体を組み合わせて作れる。半導体レーザーは、光をはね返す面の間で光を行き来させ、向きと色がそろった光を増やして出す。受光の部品は、光を電気の信号に変える。照明、通信、センサーなどで使われる。

理解度チェック

本文の内容から答えられる問いです。答えを選ぶと、正しいかどうかと解説が出ます。

問1

LEDが出す光の色を決めるものとして、正しいものはどれか。

答えと解説を見る

答え:1. 材料のバンドギャップの大きさ

電子と正孔が結びつくときに出る光のエネルギーは、バンドギャップの大きさで決まる。光のエネルギーは色と結びついているので、バンドギャップで色を選べる。

問2

白い光を作る方法として、本文で説明したものはどれか。

答えと解説を見る

答え:1. 青い光を出すLEDに、その光を受けて別の色の光を出す材料を組み合わせる

青いLEDの光の一部を、蛍光体で黄色などの光に変え、残った青い光と混ぜると、白く見える。

問3

半導体レーザーの光が、LEDの光と違う点として、正しいものはどれか。

答えと解説を見る

答え:1. 光の向きと色、波の山と谷の位置がそろい、細く絞って遠くまで届けやすい

半導体レーザーでは、光をはね返す面の間を光が行き来する間に、同じ向き・同じ色・同じ山と谷の光が増えていく。そのため、そろった光が出て、細く絞って遠くまで届けやすい。