光を電気に変える:イメージセンサー

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このページの目次
  1. カメラの「目」になる半導体
  2. 光を電気に変える:フォトダイオード
  3. 画素の中で、電子を電圧に変える
  4. 色を分ける:カラーフィルター
  5. 光を集める:マイクロレンズ
  6. 裏側から光を入れる
  7. チップを重ねる
  8. このページのまとめ
  9. 関係する工程と用語
  10. 次に読む
  11. 理解度チェック

カメラで光を写し取るイメージセンサーの仕組みを、pn接合を使うフォトダイオード、画素、色を分けるフィルター、光を集めるレンズ、裏側から光を入れる構造と、チップを重ねる作り方まで順に説明する。

イメージセンサーの画素の断面(模式図)

  1. 赤緑青配線PD光表面照射型光は、配線の間を通ってからフォトダイオードに届く
  2. 赤緑青配線PD光裏面照射型光は、配線のない裏側から、直接フォトダイオードに届く
図:画素を三つ並べた断面。上からマイクロレンズ、カラーフィルター(赤・緑・青)の順に重なる。左の表面照射型では、光が配線の間を通ってからフォトダイオードに届く。右の裏面照射型では、ウェーハを薄く削って裏側から光を入れるので、配線にさえぎられない。模式図、本サイトで作成

カメラの「目」になる半導体

スマートフォンやデジタルカメラ、自動車の周りを見るカメラには、光を受けて電気の信号に変える半導体が入っている。これを「イメージセンサー」と呼ぶ。人の目でいえば、光を感じる網膜に当たる部品である。

イメージセンサーは、光を感じる小さな区画を、縦と横に非常に多く並べてできている。一つ一つの区画を「画素」と呼ぶ。画素ごとに受けた光の強さを電気の信号にして読み出し、並べ直すと、一枚の画像になる。

光を電気に変える:フォトダイオード

画素の中心にあるのは、分野「半導体の基礎」で学んだpn接合である。光を受けるために使うpn接合を「フォトダイオード」と呼ぶ。

半導体に光が当たると、光のエネルギーを受け取って、電子と正孔の組ができる。pn接合の空乏層には電気の偏りがあるので、できた電子と正孔は反対の向きに引き離される。こうして、当たった光の量に応じた電子が、フォトダイオードにたまっていく。

明るい光が当たるほど、決まった時間のあいだにたまる電子は多くなる。暗ければ少ない。この電子の量を読み取れば、その画素が受けた光の強さが分かる。

画素の中で、電子を電圧に変える

たまった電子は、そのままでは小さすぎて扱いにくい。そこで、画素の中のトランジスタで、電子の量を電圧の大きさに変え、強めてから読み出す。

読み出しが終わると、フォトダイオードにたまった電子を捨て、次の写真のために空にする。この「ためる・読み出す・空にする」を、全部の画素でくり返す。

かつては、たまった電子を画素から画素へバケツリレーのように運んで、端でまとめて読み出す方式も多く使われていた。今は、画素ごとにトランジスタを持ち、論理回路と同じCMOSの作り方で作る方式が広く使われている。この方式のセンサーを「CMOSイメージセンサー」と呼ぶ。読み出しの回路や処理の回路を同じチップに作り込みやすく、電力も抑えやすい。

色を分ける:カラーフィルター

フォトダイオードは、光の強さは分かるが、色は見分けられない。そこで、画素の上に、決まった色の光だけを通す小さなフィルターを載せる。

よく使われるのは、赤、緑、青の三色のフィルターを、画素ごとに決まった模様で並べる方法である。一つの画素は一色の光の強さしか分からないが、周りの画素の値から残りの色を計算で補い、すべての画素の色を決める。

光を集める:マイクロレンズ

画素の中には、フォトダイオードのほかに、トランジスタや配線もある。画素に入った光が、フォトダイオード以外の場所に当たると、無駄になる。

そこで、画素ごとに、小さな凸レンズを載せる。これを「マイクロレンズ」と呼ぶ。マイクロレンズは、画素に入った光を、フォトダイオードの上に集める。

裏側から光を入れる

普通のチップは、シリコンの表側にトランジスタを作り、その上に配線を何層も重ねる。この形のまま光を表側から入れると、光はフォトダイオードに届く前に、配線の間を通り抜けなければならない。配線にさえぎられたり、はね返されたりして、届く光が減る。

そこで、ウェーハの裏側を薄く削り、裏側から光を入れる構造が広がった。これを「裏面照射型」と呼ぶ。配線は表側に残したまま、光は配線のない裏側からフォトダイオードに届く。画素を小さくしても、光を受けやすい。

この構造を作るには、ウェーハを支えの基板に貼り合わせてから、裏側を非常に薄く、均一に削る技術が必要になる。

チップを重ねる

さらに進んだ作り方として、画素を並べたチップと、読み出しや処理の回路を作ったチップを別々に作り、上下に重ねて貼り合わせる方法がある。これを「積層型」と呼ぶ。

画素のチップには光を受けるのに合った作り方を、回路のチップには計算に合った作り方を、それぞれ選べる。また、回路を画素の下に置くので、チップの面積を大きくせずに、多くの処理を載せられる。二枚のチップは、多くの細かい接続でつながれる。これは、別々に作ったチップを組み合わせて一つの製品にする、後工程の技術の一つでもある。

このページのまとめ

イメージセンサーは、画素を縦と横に並べ、画素ごとの光の強さを電気の信号に変える半導体である。画素の中心はpn接合を使うフォトダイオードで、光の量に応じた電子をためる。画素のトランジスタで電圧に変えて読み出し、カラーフィルターで色を分け、マイクロレンズで光を集める。裏側から光を入れる構造や、チップを重ねる作り方で、小さな画素でも光を受けやすくしている。

理解度チェック

本文の内容から答えられる問いです。答えを選ぶと、正しいかどうかと解説が出ます。

問1

イメージセンサーの画素で、光を受けて電子をためる部品はどれか。

答えと解説を見る

答え:1. フォトダイオード

フォトダイオードは、光を受けるために使うpn接合である。光でできた電子と正孔を空乏層の電気の偏りで引き離し、光の量に応じた電子をためる。

問2

画素の上にカラーフィルターを載せる理由として、正しいものはどれか。

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答え:2. フォトダイオードは色を見分けられないので、決まった色の光だけを通して色を分けるため

フォトダイオードは光の強さしか分からない。画素ごとに決まった色のフィルターを載せ、周りの画素の値から残りの色を計算で補う。

問3

「裏面照射型」のイメージセンサーの特徴として、正しいものはどれか。

答えと解説を見る

答え:3. ウェーハの裏側を薄く削り、配線のない裏側から光を入れる

表側から光を入れると、光は配線の間を通り抜けなければならない。裏面照射型は、裏側を薄く削って、配線のない裏側から光をフォトダイオードに届ける。