空気中の特定のガスを検出する半導体式のガスセンサーの仕組みを説明する。金属の酸化物の表面にガスが付くと電気の流れやすさが変わる原理、加熱が必要な理由、見分けにくさや湿度の影響、小型化の工夫を扱う。
ガスセンサーの断面と、信号の変化(模式図)
- センサーの断面膜を温めて使う
- 信号の変化流れやすさの変化を読み取る
図:左は、半導体式ガスセンサーの断面。ヒーターで温めた金属の酸化物の膜に、ガスが付く。右は、信号の変化。ガスがあると、電気の流れやすさが上がる。目盛りのない模式図、本サイトで作成ガスを、電気の信号にする
家庭のガス漏れの警報器、空気の質を測る機器、工場の安全の装置などには、空気中の特定のガスを見つけるセンサーが使われる。ガスセンサーには、いくつかの方式がある。このページでは、半導体の材料を使う方式を中心に見ていく。
表面で、電気の流れやすさが変わる
半導体式のガスセンサーでは、金属の酸化物の薄い膜を使う。この膜の表面に、ガスの分子が付いたり、膜の表面の酸素と反応したりすると、膜の中を電気が流れる、流れやすさが変わる。
たとえば、燃えやすいガスが膜の表面で反応すると、電気の流れやすさが増える。この流れやすさの変化を、電気の信号として読み取れば、ガスがあることと、その量が分かる。仕組みが単純で、小さく、安く作れることが利点である。
加熱が必要な理由
多くの半導体式のガスセンサーは、膜を温めて使う。膜の表面での反応は、温度が低いと、ゆっくりにしか進まない。適した温度に保つことで、反応が起き、信号が安定して得られる。
そのため、センサーには、膜を温める小さな発熱の部品(ヒーター)が付いている。ヒーターは電力を使うので、電池で動かす機器では、電力が課題になる。温めるのを間欠にして、電力を抑える工夫もある。
見分けにくさと、まわりの影響
この方式には、弱点もある。膜は、いくつかの種類のガスに反応するので、どのガスかを正確に見分けるのが難しい。また、温度や湿度が変わると、信号も変わる。長く使うと、膜の状態が変わって、信号がずれていくこともある。
そのため、前のページで学んだ校正や補正が重要になる。複数の膜を並べて、反応の違いから種類を推し量る方法や、温度と湿度のセンサーを一緒に載せて補正する方法もある。
小さく作る工夫
微細な加工の技術を使うと、ヒーターと膜を、小さな構造の上に作れる。小さな構造は、温まりやすく、冷めやすいので、電力を減らせる。膜は、成膜の技術で薄く均一に作る。センサーと、信号を処理する回路を、同じパッケージにまとめた製品もある。
ほかの方式との違い
ガスを見つける方式は、ほかにもある。化学反応で電気を生む方式、ガスが光を吸う性質を使う方式などである。方式ごとに、見分けやすさ、寿命、電力、大きさ、価格が違う。目的に応じて選ぶ。
このページのまとめ
半導体式のガスセンサーは、金属の酸化物の膜の表面にガスが付くと、電気の流れやすさが変わる性質を使う。多くは、膜を温めて使うので、電力が課題になる。ガスの種類を見分けにくく、温度や湿度の影響を受けるので、補正の工夫が要る。小型化と省電力の工夫が進められている。
理解度チェック
本文の内容から答えられる問いです。答えを選ぶと、正しいかどうかと解説が出ます。
問1
半導体式のガスセンサーの検出の仕組みとして、正しいものはどれか。
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答え:1. 膜の表面にガスが付くと、電気の流れやすさが変わる
金属の酸化物の膜の表面にガスが付いたり反応したりすると、電気の流れやすさが変わる。
問2
多くのガスセンサーが膜を温めて使う理由はどれか。
答えと解説を見る
答え:1. 温度が低いと表面の反応がゆっくりで、信号が安定しにくいから
適した温度に保つと、表面の反応が起き、信号が安定して得られる。