半導体の話に出てくる、マイクロメートルとナノメートルという長さの単位を説明する。単位の関係、身の回りのものとの大きさの比べ方、プロセスノードの名前の数字が実際の寸法とは限らないこと、小さな世界を見る道具を扱う。
長さの単位と、大きさの比べ方(模式図)
- 長さの単位千分の一ずつ小さくなる
- 大きさの比べ方髪の毛より、はるかに細かい
図:左は、長さの単位。千分の一ずつ小さくなる。右は、大きさの比べ方。髪の毛や細菌はマイクロメートルの単位、ウイルスはナノメートルの単位、原子はそれよりさらに小さい。目盛りのない模式図、本サイトで作成小さな長さの単位
半導体の話では、とても小さな長さの単位が出てくる。マイクロメートルとナノメートルである。このページでは、その大きさの感覚をつかむことを目指す。
長さの単位は、千倍ずつ、あるいは千分の一ずつで変わる。一ミリメートルの千分の一が、一マイクロメートルである。一マイクロメートルの千分の一が、一ナノメートルである。つまり、ナノメートルは、ミリメートルの百万分の一である。
身の回りのものと比べる
大きさを、身近なものと比べてみる。
髪の毛の太さや、細かい砂ぼこりは、マイクロメートルの単位で数える大きさである。細菌も、マイクロメートルの単位で数える。ウイルスは、ナノメートルの単位で数える大きさである。そして、原子の大きさは、ナノメートルよりも、さらに小さい。
半導体のチップの回路は、このナノメートルの単位の世界に入っている。髪の毛の太さと比べると、回路の線は、はるかに細い。
ごみの大きさも、小さい
回路が小さいということは、問題になるごみも小さい、ということである。回路の線よりも大きなごみが付けば、線をふさいだり、つなげたりしてしまう。そのため、クリーンルームでは、ごく小さな粒子まで管理される。
また、小さな世界を扱うので、わずかな揺れや温度の変化も、位置のずれになる。環境の管理が、これまで学んだように、厳しくなる。
製造の名前の数字
半導体の製造の技術には、数字とナノメートルを組み合わせた名前が付けられることが多い。これは、プロセスノードと呼ばれる。ただし、この数字は、必ずしも、回路の特定の部分の実際の寸法を表しているわけではない。技術の世代を表す名前として、使われている面がある。
そのため、会社どうしで、同じ数字の名前でも、実際の回路の細かさが同じとは限らない。数字だけで、単純に比べないほうがよい。
小さな世界を見る道具
髪の毛の太さなら、拡大鏡で見られる。しかし、ナノメートルの単位の回路は、光の顕微鏡では見えにくい。そこで、電子線を使う顕微鏡が使われる。電子の波長は短いので、光よりも、はるかに細かいものを見られる。
製造の現場でも、回路の線の幅や、膜の厚さを、この種の顕微鏡で測って、確かめている。
このページのまとめ
マイクロメートルは、ミリメートルの千分の一、ナノメートルは、さらにその千分の一である。髪の毛はマイクロメートルの単位、ウイルスはナノメートルの単位で数える大きさで、チップの回路は、ナノメートルの単位の世界にある。製造の名前の数字は、実際の寸法と一致するとは限らない。
理解度チェック
本文の内容から答えられる問いです。答えを選ぶと、正しいかどうかと解説が出ます。
問1
一ナノメートルは、一マイクロメートルの何分の一か。
答えと解説を見る
答え:1. 千分の一
一マイクロメートルの千分の一が、一ナノメートルである。
問2
製造の名前(プロセスノード)の数字についての説明として、適切なものはどれか。
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答え:1. 実際の寸法を表しているとは限らず、技術の世代を表す名前の面がある
数字は、実際の寸法と一致するとは限らない。会社どうしで、数字だけで単純に比べないほうがよい。