1. 半導体の基礎4 / 11ページ

小さな世界の大きさ:マイクロメートルとナノメートル

公開日:作成者:hysd(SemiCompass運営者)

このページの目次
  1. 小さな長さの単位
  2. 身の回りのものと比べる
  3. ごみの大きさも、小さい
  4. 製造の名前の数字
  5. 小さな世界を見る道具
  6. このページのまとめ
  7. 関係する工程と用語
  8. 次に読む
  9. 理解度チェック

半導体の話に出てくる、マイクロメートルとナノメートルという長さの単位を説明する。単位の関係、身の回りのものとの大きさの比べ方、プロセスノードの名前の数字が実際の寸法とは限らないこと、小さな世界を見る道具を扱う。

長さの単位と、大きさの比べ方(模式図)

  1. ミリメートル千分の一マイクロメートル千分の一ナノメートル長さの単位千分の一ずつ小さくなる
  2. 大きい髪の毛細菌ウイルス原子小さくなるほど短い大きさの比べ方髪の毛より、はるかに細かい
図:左は、長さの単位。千分の一ずつ小さくなる。右は、大きさの比べ方。髪の毛や細菌はマイクロメートルの単位、ウイルスはナノメートルの単位、原子はそれよりさらに小さい。目盛りのない模式図、本サイトで作成

小さな長さの単位

半導体の話では、とても小さな長さの単位が出てくる。マイクロメートルとナノメートルである。このページでは、その大きさの感覚をつかむことを目指す。

長さの単位は、千倍ずつ、あるいは千分の一ずつで変わる。一ミリメートルの千分の一が、一マイクロメートルである。一マイクロメートルの千分の一が、一ナノメートルである。つまり、ナノメートルは、ミリメートルの百万分の一である。

身の回りのものと比べる

大きさを、身近なものと比べてみる。

髪の毛の太さや、細かい砂ぼこりは、マイクロメートルの単位で数える大きさである。細菌も、マイクロメートルの単位で数える。ウイルスは、ナノメートルの単位で数える大きさである。そして、原子の大きさは、ナノメートルよりも、さらに小さい。

半導体のチップの回路は、このナノメートルの単位の世界に入っている。髪の毛の太さと比べると、回路の線は、はるかに細い。

ごみの大きさも、小さい

回路が小さいということは、問題になるごみも小さい、ということである。回路の線よりも大きなごみが付けば、線をふさいだり、つなげたりしてしまう。そのため、クリーンルームでは、ごく小さな粒子まで管理される。

また、小さな世界を扱うので、わずかな揺れや温度の変化も、位置のずれになる。環境の管理が、これまで学んだように、厳しくなる。

製造の名前の数字

半導体の製造の技術には、数字とナノメートルを組み合わせた名前が付けられることが多い。これは、プロセスノードと呼ばれる。ただし、この数字は、必ずしも、回路の特定の部分の実際の寸法を表しているわけではない。技術の世代を表す名前として、使われている面がある。

そのため、会社どうしで、同じ数字の名前でも、実際の回路の細かさが同じとは限らない。数字だけで、単純に比べないほうがよい。

小さな世界を見る道具

髪の毛の太さなら、拡大鏡で見られる。しかし、ナノメートルの単位の回路は、光の顕微鏡では見えにくい。そこで、電子線を使う顕微鏡が使われる。電子の波長は短いので、光よりも、はるかに細かいものを見られる。

製造の現場でも、回路の線の幅や、膜の厚さを、この種の顕微鏡で測って、確かめている。

このページのまとめ

マイクロメートルは、ミリメートルの千分の一、ナノメートルは、さらにその千分の一である。髪の毛はマイクロメートルの単位、ウイルスはナノメートルの単位で数える大きさで、チップの回路は、ナノメートルの単位の世界にある。製造の名前の数字は、実際の寸法と一致するとは限らない。

理解度チェック

本文の内容から答えられる問いです。答えを選ぶと、正しいかどうかと解説が出ます。

問1

一ナノメートルは、一マイクロメートルの何分の一か。

答えと解説を見る

答え:1. 千分の一

一マイクロメートルの千分の一が、一ナノメートルである。

問2

製造の名前(プロセスノード)の数字についての説明として、適切なものはどれか。

答えと解説を見る

答え:1. 実際の寸法を表しているとは限らず、技術の世代を表す名前の面がある

数字は、実際の寸法と一致するとは限らない。会社どうしで、数字だけで単純に比べないほうがよい。